法曹に薦めるボールペン

「プレゼントで高いボールペンを貰ったけど結局使っていない。」

 そういう人、多いのではないでしょうか?

 法曹も、司法試験合格祝いなどで、高級ボールペンを貰ったものの、全然使っていないという人はたくさんいると思います。

 そこで、なぜ高級ボールペンを使わなくなるのかを検証し、法曹に薦められるボールペンを考えてみました。

1.重い

 ボールペンは、普段、胸ポケットや手帳に刺して、持ち歩くことが多いでしょう。また、法曹の場合、メモを取る機会が多く、かなり長時間の書き物をすることもあります。そんなとき、重すぎるボールペンでは使わなくなるのも当然です。

 そこで、ちょっと私の所有しているボールペンの重さを測ってみました。

 ウォーターマン(貰いもの)です。契約書に調印するときなどにピッタリな重厚で高級感のある外観から、プレゼント用に選ばれることも多いブランドです。

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 42グラム。金属でできているので、さすがに重い。高級感はありますが、この重さだと、スピーディーな筆記や長時間の使用は辛いものがあります。

 では、次に、ビジネスの場でよく目にするジェットストリーム4色+シャープペンシルを測ってみましょう。

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 24グラム。一般的に広く普及していることを考えると、これくらいの重さであれば、許容範囲内と考えてよさそうです。

 ちなみに、100円で手に入るSARASAのボールペンは約10グラム。ここまで落とせれば、さらに使いやすいのでしょうが、デザイン性や素材の高級感が必要になる高級筆記具の分野で10グラムというのは厳しいので、やはり24グラム以下を基準に考えたいと思います。

2.インクフローが悪い

 日本のボールペンは非常に優秀です。ジェットストリームSARASAなど、低粘度、ゲルインクボールペンが100円で手に入り、多くのビジネスマンに愛用されています。これに比べて、高級ボールペンの書き心地は、総じて良くないと言わざるを得ません。インクフローが悪く、書き出しがかすれたり、筆圧をかけなければ書けないということも珍しくありません。

 ボールペンは、あくまで実用品。いくら高級品を持っていても、滑らかでストレスのない書き心地が実現できなければ、使われなくなるのは当然でしょう。そこで、法曹の皆様に薦めるには、ジェットストリーム並みに書きやすいボールペンであることが条件になります。

結論⇒ペリカンk400シリーズ

 ペリカンは万年筆で有名なドイツのメーカーですが、ボールペンも秀逸です。

 k400⇒k600⇒k800の順に大きく重くなっていきますが、お勧めするのはk400です。 

 k400の重さは16グラム

 SARASAよりは重いですが、24グラム以下に収まっています。

 そして、このボールペン、なんとジェットストリーム芯が使えます!

 これで書き心地が悪いという高級ボールペンの欠点を完全解決です。

 カラーも豊富なので、自分の好みに合う色が見つかること間違いなし。

 法曹で、ちょっと高いボールペンを愛用してみたいという方、是非、検討してみてください。

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【ブログ紹介】弁護士引退日記

 非常に貴重なブログを紹介します。

 その名も「弁護士引退日記」。

tanukiinu88.blog.fc2.com

 なにが貴重かって、弁護士歴30余年、中堅が食い詰めての廃業するわけでも、若手が将来を悲観して進路変更するのでもなく、純粋に年齢的な理由で廃業される方のブログであるということです。

 そして、記事を読む限り、「弁護士かくあるべし」という頑固な信念があるような雰囲気でもなく、純粋に、職業としての弁護士を30余年やってきた方が、引退を前にして、業界に対して、どのような見方をしているかを知ることができるということです。

 弁護士ブログというのは、法的知識の普及、事務所の宣伝、政治的意見の表明、司法制度改革への恨み言、弁護士会への批判、仕事の愚痴等、なかなか純粋な気持ちで読めないものが多いので、このブログはかなり貴重だと思います。

【映画評】クワイエットプレイス

あらすじ

音に反応して人間を襲う化け物(盲目)が跋扈し、人類が滅亡の危機に瀕した世界。生き延びた一組の家族は、手話で会話し、歩くときは裸足で、静寂とともに暮らしていた。

1.ゲームに劣る臨場感

 音に反応して襲ってくる化け物といえば、最近のゲームでは良くある設定です。「ラストオブアス」はドンピシャで、あれも目が見えず音に反応する化け物が出てきました。音を立てず、見つからないように行動する「ステルス要素」のあるホラーゲームは臨場感たっぷりです。はっきり言って、ゲームと映画では、ゲームの方が自分で操作して恐怖と戦わなければならない分、臨場感では上でしょう。ゲームの進化は、まさにホラーのためにあったといっても過言ではないはずです。この映画では、ゲーマーにとっては劣化した恐怖しか感じられないのではないでしょうか。

2.ゲームの影響をうけた設定

 クリーチャーは、冷静に対応すれば対処可能という意味では、「バイオハザード」「ラストオブアス」系に属する設定。銃も効きます。とはいえ、銃を使うと処理しきれないほど大量に襲ってくるので、あくまで逃げ隠れすることに主眼が置かれています。クリーチャーを処理しながら、真相を暴くような展開にはならないので、そこはゲームとは異なりますが、やはり、「ゲームの影響を受けて作られたのでは?」と思わざるを得ない設定です。

3.映画で会話しないのは退屈

 音を立てると襲われるので、家族は手話で会話しています。しかし、こういう設定の物語は、実写映画には向きません。会話がなくても、次々とクリーチャーをなぎ倒していくアクションや、研究所等に密かに侵入して真相を暴くような展開であれば、まだ退屈しなかったかもしれませんが、この家族はクリーチャーから逃げているだけです。声を使った会話劇がなければ、せっかくの役者の魅力も半減です。

4.なんで妊娠してんの?

 音に反応する化け物が跋扈する世界で、出産するシーンがあります。音を立てると襲われるので、陣痛に耐えられるのか、赤ん坊の泣き声で襲われるのではないか、という展開になるわけですが、どう考えても、タイミング的に、世界が崩壊してから子づくりしてるんですよね。そんな状況で子供作るなよというツッコミを入れるしかありません(笑)。

5.総合評価 ★★★☆☆

 うまくまとまっているので、エンタメ作品としては良い。

 総合的には凡作で、まず話題にはならないでしょうが、90分しかないので、暇な人は観てみたらどうでしょうか。

 

 やっぱりホラーはゲームですよ。

弁護士を目指す人は新聞記事から色々ヒントを得たらいいよ

 西日本新聞から、非弁行為の記事です。

www.nishinippon.co.jp

 弁護士を目指す人にとって重要なのはこの部分。

法務省によると、2017年の弁護士数は約3万9千人で、20年前の2・3倍に増加。一方、弁護士白書によると、仕事を始めて5年未満の弁護士の平均年収は06年は1613万円だったが、14年は796万円に減少。15年に弁護士1年目だった人のうち年収400万円未満だった割合は16%に上るという調査もある。 

日本弁護士連合会によると、非弁提携を含む懲戒処分件数は1997年の38件から、2017年は106件まで増加。ある県の弁護士会幹部は「経営の苦しさから名義貸しなどの甘い話に乗りやすい背景は確かにあるが、問題を起こさない弁護士の方が多い。厳正に対処し、倫理研修などで啓発していくしかない」と話した。

①2006年の平均年収が1613万だったのに2014年は796万!

 「平均でしょ?儲かる人は儲かるのでは?796万も低くはないし。」

→その通り!

 だからこの業界を目指すことを否定はしません。

 ただ、これから目指す人にとって重要なのは、今の業界事情ではないということ。

 10年も経たずに半減しているということは、向こう5年~10年でどうなるか。

 よく考えるべきでしょうね。

②経営の苦しさから違法行為に手を染める弁護士が増えている!?

 「問題を起こさない弁護士のほうが多いって書いているじゃん。」

→その通り!

 ただ、非弁行為は違法行為である以上、どれだけ食い詰めても、やらない弁護士のほうが多いのは当然のこと。

 手を染める弁護士の増加は、経営が苦しい弁護士の総数が増えていることを示している可能性はある(もっとも弁護士会の懲戒審査が厳しくなっているという背景もあるかもしれない)。

第一回口頭弁論期日に欠席するのは不誠実という誤解

 民事訴訟で、第一回口頭弁論期日に被告が欠席すると、それを不誠実ととらえる人がいるようです。

 しかし、民事訴訟では、第一回口頭弁論期日というのは、被告の都合を聞かずに指定されます。被告にも予定があるわけですから、必ずしも、出席できるとは限りません。そもそも、訴訟を起こされてから弁護士を探すことも多く、弁護士の予定もありますから、必ず出席しろというのは無理があります。

 そこで、民事訴訟では、第一回口頭弁論期日は、とりあえず答弁書を出しておけば、その答弁書の内容を陳述したものと見做す「擬制陳述」という制度が取られています。実際に出席して答弁したのと同じ効果があるわけですから、要するに、行く必要がないということです。

 実務上は、「原告の請求を棄却する」との裁判を求め、具体的な反論は「追って主張する」とだけ記載することも珍しくありません。訴訟を起こされて初めて弁護士をつけた場合には、その弁護士と打ち合わせをする時間も必要ですし、すぐに反論できないので、このような記載になるわけです。その場合、具体的な反論などは、第2回期日から始まることになるので、訴訟を提起してから2か月後くらいということですね。

 ニュース番組などでは、「被告が第一回口頭弁論に欠席」とだけ報道されることがあり、事実を伝えているだけなのかもしれませんが、きちんと説明をつけなければ、誤解を招く報道だと思います。第一回口頭弁論期日に欠席しても、別に、原告を舐めているわけでも、裁判に真面目に向き合う気がないというわけでもないのです。

破産させた方が弁護士にとって手間がかからないという誤解

 弁護士に破産しかないと言われた。

 安易に破産させられた。

 こっちの希望を聞いてくれず、破産ばかり勧められた。

 借金の相談で、こういう不満を持たれる方がいます。

 しかし、少なくとも、弁護士は、破産の方が簡単だから、安易に破産を勧めるというのは誤解です。

 債務整理は、大きく分けて、法的整理(破産・再生)任意整理に分かれます。

 法的整理は、破産にしても、再生にしても、要するに、裁判所に書類を出して、借金を免除してもらう手続のことです。

 これに対して、任意整理は、債権者(貸金業者等)と交渉(つまり話し合い)をして、利息をカットしてもらったり、毎月の返済額を下げてもらう手続のことです。

 どちらが手間がかかるかといえば、間違いなく、法的整理(破産・再生)の方です。

 貸金業者の取立てをストレスに感じているからか、交渉事の方が難儀だと感じる人がいますが、それは誤解です。貸金業者は、任意整理手続に慣れており、弁護士が交渉するのに、それほど手間はかかりませんし、精神的ストレスも感じません。サラ金と丁々発止のやり取りをするイメージとは程遠いのが任意整理の交渉です。

 これに対して、破産や再生の場合、まず、必要書類を集めるのに手間がかかります。どれだけ丁寧に説明しても、依頼者の用意した書類に不備があるというのは、弁護士なら誰でも経験しているところです。そして、裁判所に事情を説明する立場になるわけですから、申立書に虚偽があれば、その責任を問われる可能性があり、依頼者が財産を隠していないか、申告漏れがないかなど、非常に気を使います。しかも、早期に申し立てるのが良いとされているため、スピードも求められる仕事なのです。

 このように、手間とストレス、どちらを取っても、破産や再生の方が、弁護士にとって圧倒的に面倒くさいのですから、簡単だからという理由で破産を勧める弁護士などいないというわけです。

 弁護士が破産を勧める時は、客観的に見て、破産したほうが良い場合ですから、素直に専門家のアドバイスに従うことをお勧めします。

弁護士を選んでいる余裕があるか

 弁護士をどう選ぶか。どうやったら良い弁護士にたどり着けるか。

 ネットでは色々な記事が書かれています。

 ただ、ひとつ確かなのは、弁護士の選べるのは、選ぶ余裕がある場合だけということです。

 普段から弁護士に依頼する機会が多い人ならともかく、多くの人はそうではありません。

 ある日、突然、身に覚えのない罪で逮捕されたら、普通、弁護士を選んでいる余裕はありません。ある日、突然、民事訴訟を起こされたら、何件も法律事務所を回って相談している時間はないでしょう。

 ただでさえ「良い弁護士」は人によって異なります。証拠が固まっていて、誰がやっても似たような判決にしかならない事件の場合、途中で和解できる能力が重要だったりします。また、自己主張できないタイプの人なら、相談しやすい雰囲気の弁護士であることが一番重要でしょう。お金がない人なら、安く受けてくれる弁護士を探さなければいけません。しかし、自分にとって「良い弁護士」は何か、限られた時間で判断し、限られた時間で探し当てるのは困難です。

 

 ネットに情報があふれ、弁護士も広告を打つようになり、利用者側が弁護士を選ぶ意識を持つのは良いことです。

 しかし、常に選ぶ余裕があるとは限りません。

 とにかく依頼して動き始めなければならないこともあるのです。

 自分には弁護士を選ぶ余裕があるのか。まずは考えてみてください。