民事事件

第一回口頭弁論期日に欠席するのは不誠実という誤解

民事訴訟で、第一回口頭弁論期日に被告が欠席すると、それを不誠実ととらえる人がいるようです。 しかし、民事訴訟では、第一回口頭弁論期日というのは、被告の都合を聞かずに指定されます。被告にも予定があるわけですから、必ずしも、出席できるとは限りま…

破産させた方が弁護士にとって手間がかからないという誤解

弁護士に破産しかないと言われた。 安易に破産させられた。 こっちの希望を聞いてくれず、破産ばかり勧められた。 借金の相談で、こういう不満を持たれる方がいます。 しかし、少なくとも、弁護士は、破産の方が簡単だから、安易に破産を勧めるというのは誤…

「再度の催告は効果を生じない」の意味

催告(民法153条)をすると、時効の完成が6か月延びます。 厳密には、延びるというか、その間に訴訟提起等の措置を取らないと、催告は効力を生じないので、本来の時効期間満了時に時効が完成することになります。 そして、「再度の催告は効力を生じない…

家族が勝手に使ったクレジットカードの支払いは免責されない

キャッシュレス社会の到来と言われていますが、日本では、クレジットカードよりもSuicaなどのチャージ式の電子マネーの方が、日常的に使われているようです。 ネットショッピングの拡大により、クレジットカードの利用額も増加傾向にあるようですが、最近は…

人が死んだら自動的に相続が発生する

弁護士「亡くなったお父さんは持家でしたか?賃貸でしたか?」 相談者「持家でした。でも、私は相続しませんでした。母が相続したはずです。」 弁護士「遺産分割協議書に署名押印した記憶はありますか?」 相談者「いや、そういった記憶はありません。」 弁…

不倫の示談書にサインしたあとの再交渉

ある男(太郎)が既婚女性と不倫をしたところ、それが女性の夫(健一)にばれ、ある日、喫茶店に呼び出されました。 健一は怒り心頭で、「慰謝料を300万円払え。すぐに示談書にサインしろ。」と迫ってきました。 太郎は、迫力に押されて、示談書にサイン…

秘密録音は証拠になります

「このハゲー!」からどれくらい経ったでしょうか。あの音声は秘密録音されたものでしたが、訴訟では秘密録音したものでも原則として証拠になります。 秘密録音とは、相手との会話を秘密で録音することです。気を付けてほしいのは、他人同士の会話や通信内容…

紛争は派生する

社会の隅々に法の支配を。 そのような掛け声で行われた司法制度改革でしたが、私は、通常のサービス業と同じくらい気軽に弁護士に依頼できる社会を目指すべきだとは思っていません。弁護士に依頼する(=司法制度を利用する)というのは、基本的に、慎重に検…

交通事故の正当な示談金とは

交通事故に遭ったとき、保険会社から支払われる示談金は低額で、弁護士に依頼すると高くなるということは知っている人も多いと思います。 裁判基準>任意基準>自賠基準の解説記事は無数にあるので、本記事ではカット。 本記事で伝えたいのは、「正当」な示…

完全成功報酬制の問題点

勝つか負けるか分からない訴訟で、弁護士に着手金を払う決断というのは、なかなかできるものではありません。損をする可能性があるなら、止めておこうというのが人情ではないでしょうか。 もし、完全成功報酬制が普及すれば、もっと弁護士が身近な存在になる…

借金の時効完成後の返済

前回、破産の話をしたので、引き続き、借金問題。 時効が完成している借金を返済してしまう人がいます。 何年も督促が来ていなかったのに、ある日、「一括で払え。さもなくば法的措置を取る。」と書かれた督促状が届いて、あわてて払うパターンです。 借金の…

2回破産できますか?

結論から言えば、2回目の破産でも、免責は認められることが大半です。 私の経験上でも、何度か2度目の破産を見ていますが、すべて免責されています。 そもそも、過去に破産したことがあるというのは、法律が定める免責不許可事由ではありません。一度破産…

合意書のチェックだけでも依頼すべき

甲と乙は、本件に関し、本和解条項に定めるもののほか、何らの債権債務もないことを相互に確認する。 いわゆる清算条項と呼ばれているものです。和解を取り交わす場合、この清算条項を入れておき、争いが最終的に解決したことを担保します。 注目してほしい…

「自分も弁護士に相談している」とアピールする人

個人間のトラブルで、私が一方から依頼を受けて、相手と交渉をしたり、訴訟をしたりするとき、相手が弁護士をつけずに、自分で頑張ることがあります。 その時、相手が「自分も弁護に相談しながら進めています。」と発言(アピール?)する現象を頻繁に見ます…

奨学金破産なんてそんなにあるか?

ちょっと前に、奨学金が原因で破産するケースが増えているという新聞記事を見かけました。朝日新聞の記事です。 www.asahi.com 過去5年間で延べ1万5千人ということですが、過去5年間の自己破産件数は約37万件(司法統計)なので、割合的には4%ほどで…

提訴予告は恐喝か

「あなたの行為は不法行為だから100万円払え。払わなければ、法的措置をとる。」というのは良くある内容証明ですが、こういう文章を送ると、相手から「恐喝ではないのか」と言われることがあります。恐喝罪というのは、相手に害悪を告知し、畏怖させ、財…

選択的夫婦別姓

選択的夫婦別姓に反対はしませんが、積極的に賛成というわけでもないんですよね。私には、結婚とはこうあるべきだという意見がないから。 もちろん、私自身の結婚観はありますよ。でも、日本社会における結婚とはどうあるべきかについては、深く考えたことが…

弁護士をつけたほうが良いですか?

なにか他人とのトラブルを抱えた人から相談を受け、「弁護士をつけたほうが良いですか?」と聞かれた場合、100%の割合で、「つけたほうが良いです。」と答えることにしています。 仮に、その人が、自分で相手と話し合い、問題を解決できそうなタイプの人…

相手が知り合いの弁護士だったら遠慮するか

同じ弁護士会に所属している弁護士同士だと、仲間意識から、思い切り対立できないのではないかと心配する人がいます。あるいは、相手方弁護士が、弁護士会の会長とかだと、遠慮してしまうのではないかとか。 多くの弁護士は、「そんなことはない」と答えてい…

訴状を無視する人

裁判所から届いた訴状を無視する人ってどう思いますか? 良い度胸していると思いません? 実は、けっこういるんですよ、そういう人が。 そして、敗訴してから、弁護士のところに持ってくる。 「どうにもなりません。」と言うと、「それをなんとかするのが弁…

ネットで正確な専門知識にたどりつけるか

ギャンブルで作った借金は破産しても免責されないと誤解している人がいます。 しかし、現実には、ほとんどの場合、借金の原因がギャンブルだろうと風俗だろうと、自己破産すれば免責されます。 「ほとんどの場合」とはどのくらいの割合かというと、文字通り…

交渉の方法-書面か電話か-

弁護士になってから、不貞慰謝料請求事件を何度もやりました。 弁護士としては、請求する側よりも、請求されている側の方が、気が楽です。たとえ証拠が万全でも、相手にお金を払わせる交渉というのは、そう簡単なことではないからです。逆に、お金を払う側で…

判決か和解か

先日、金銭を請求する訴訟で、原告側の代理人をやったのですが、被告の和解案を蹴って判決を貰ったんです。結果は、こちらの勝訴判決でした。 被告は、これまで徹底的に争っており、1円も払わない姿勢だったので、判決で勝っても、支払わない可能性があった…