あくまで法律のはなし

なぜか福岡で働くことになった弁護士が、なぜか福岡で独立しなければならなくなったブログ

訴状を無視する人

 裁判所から届いた訴状を無視する人ってどう思いますか?

 良い度胸していると思いません?

 実は、けっこういるんですよ、そういう人が。

 そして、敗訴してから、弁護士のところに持ってくる。

 「どうにもなりません。」と言うと、「それをなんとかするのが弁護士だろ。」と。

 本音では「弁護士は魔法使いじゃないんだよ。」と思いながら、「大変申し訳ありませんが・・・」と心苦しい雰囲気を出して、お帰りいただく。

 世の中に、そういう人が存在することは、弁護士になってから知りました。

 世間知らずの私は、裁判所から訴状が届いて無視する人がいるなんて、想像できなかったのです。

 

 いったいどういう心理で訴状を無視するのかは分かりません。

 都合の悪いことには目をつむりたいという心理でしょうか。

 それとも、「法的措置を取る!」という文句自体には法的効力がないのと同様、訴状にも特に効力はないと勘違いしているのでしょうか。

 リテラシーが低くて、架空請求詐欺と区別がつかなかったのなら、それは同情に値しますが、あまりそういう人はいないようです。

 

 弁護士は、困った人を助けるのが仕事といっても、法的に決着がついた話をどうにかする力はありません。

 医師が死体を生き返らせることができないのと同じように。

 

 民事訴訟は「手続保障と自己責任」という理念で設計されています。

 必ず反論の機会は与えられますが、機会を生かせなければ、あとは自己責任です。

 裁判所から訴状が届いたら、必ず、弁護士に相談するようにしてください。