相手が知り合いの弁護士だったら遠慮するか

 同じ弁護士会に所属している弁護士同士だと、仲間意識から、思い切り対立できないのではないかと心配する人がいます。あるいは、相手方弁護士が、弁護士会の会長とかだと、遠慮してしまうのではないかとか。

 多くの弁護士は、「そんなことはない」と答えています。私の答えも同じで、同じ弁護士会に所属しているからといって、一切遠慮することはありません。相手方が、弁護士会の役職に就いていても、一切仕事に影響はありません。

 そもそも、都市部では、同じ弁護士会に所属していても、相手方代理人と顔見知りである確率は非常に低いです。田舎では、顔見知りが相手方に付く確率が高いですが、顔見知りでも、事件処理で遠慮したりしないのが普通です。我々はプロですから。

 だから安心してください。

 

 というのが、弁護士としての模範解答になりますが、まあ、深層心理まで含めれば、遠慮が生じないと断定することは困難でしょう。ですから、依頼者の方がご不安に思われる気持ちも分からなくはありません。

 そこで、相手方弁護士が、友人や偉い人の場合、逆にメリットもあるということを指摘しておきたいと思います。

 まず、友人の場合ですが、友人だから、どういう性格の人か良く知っています。民事訴訟の場合、「和解交渉」が重要になる場面もありますが、相手の性格を知っていれば、対策は立てやすく、交渉が有利に運びやすいかもしれません(もっとも、それは相手から見ても同じなわけですが。)。

 次に、偉い人の場合ですが、偉い人というのは、若い弁護士の前で恥をかきたくはないはずです。そのため、裁判所が認めてくれる可能性の低い主張とか、あまり上品じゃない主張については、遠慮がちになる可能性があるのではないでしょうか。相手の方から、遠慮してくれるのですから、こちらの反論の手間が省けますし、戦いやすい側面もあると思います。

 

 まあ、どちらも可能性の話に過ぎませんし、それほど結果に影響することではないかもしれませんが、相手方の弁護士が知人というのは、悪いことばかりではないので、あまり不安にならなくて大丈夫だと思います。