あくまで法律のはなし

なぜか福岡で働くことになった弁護士が、なぜか福岡で独立しなければならなくなったブログ

奨学金破産なんてそんなにあるか?

 ちょっと前に、奨学金が原因で破産するケースが増えているという新聞記事を見かけました。朝日新聞の記事です。

www.asahi.com

 過去5年間で延べ1万5千人ということですが、過去5年間の自己破産件数は約37万件(司法統計)なので、割合的には4%ほどでしょうか(そう考えると意外に少ないような気もします)。

 若者に多額の借金を背負わせて社会人生活をスタートさせる点については、批判の声も聞かれるところです。借金というイメージが薄い「奨学金」という名称を改め、「教育ローン」にするべきだという意見もあります。

 しかし、法律の現場で破産事件を扱っていると、実は、あまり奨学金破産が増えてるという実感は持てません。別に統計データを知っているわけではないので、単なる個人的な感覚に過ぎないのですが、奨学金そのものが原因で破産に至る例というのは、それほど多くないような気がするのです。上の記事でも、破産理由については、日本学生支援機構が「立ち入って調査できず分からない」と回答しており、必ずしも、奨学金そのものが原因で破産しているとは限らないことが分かります。

 もちろん、破産事件で、借金のなかに奨学金が含まれているのは日常茶飯事です。保証人になっている親に迷惑をかけたくないという理由で、破産を拒む人は頻繁に見かけます。その意味では、確かに、かなりの額の奨学金が、破産免責の対象になっていることに間違いはないのでしょう。

 しかし、ほとんどのケースでは、奨学金以外の負債が数多くあり、しかも、その借入原因は、ギャンブル(ほとんどの場合パチンコ)だったり、浪費だったり、病気や失業、低収入による生活費の補填だったりで、なにかしら奨学金以外の原因が存在しています。奨学金が決定的な要因となっているケース(つまり、奨学金を返すために、やむをえず、新たに借金をして、雪だるま式に借金が増えていったケース)というのは、あまり見かけないのです。

 おそらく、奨学金自体が原因の破産というのは、相当限られているのではないでしょうか。

 

 こういうことは、法律の現場にいなければ分からないことです(もちろん、単なる体感に過ぎないので、間違っている可能性は否定できませんが)。ブログを開設してから、気の向くままにいろいろ書いてみましたが、自分は、やっぱり、あくまで法律のことを書きたいようです。

 そこで、本日、ブログタイトルを変更しました。今後は、基本的には、法律絡みの話を中心に書いていきたいと思います。