あくまで法律のはなし

なぜか福岡で働くことになった弁護士が、なぜか福岡で独立しなければならなくなったブログ

近畿大学法科大学院募集停止!

 本日、近畿大学より、法科大学院入学者募集停止の発表がなされました。

 横浜国立大学に続き、本年度2校目の募集停止宣言となりました。
 近大の今年の入学者は、たったの5人だったそうですから、募集停止は当然でしょう。むしろ、なぜもっと早く踏み切らなかったのか疑問なくらいです。

 発表によると、平成16年に開設されて以来、211人の修了生を出し、56人の司法試験合格者を輩出したということですが、あまりにも合格者が少なすぎます。毎年、1500人(一時期は2000人に達していました)合格する試験に10年以上かけて56人の合格者です。合格した56人は、他の法科大学院に進学しても合格できたでしょう。もしかすると、もっと上位の法科大学院に進学できたにも関わらず、お金のない優秀な若者が、給付型奨学金につられて近大に進学しただけかもしれません(私自身が、①実家から通えること、②給付型奨学金が受けられること、の2点を条件に法科大学院を選びましたから)。

 注目すべきは学長の声明です。

ところが、司法試験合格率が低水準で推移する一方、予備試験を経て司法試験を受験することができるよう制度が改正されたり、司法試験合格者数を年間3千人に増加させるという新司法試験制度発足当初の目標が撤回され、平成29年司法試験においては合格者数が1500人台にまで減少したりするなど、法科大学院を巡る状況が設置当時、予想されたものとは著しく異なるに至りました。

 まるで制度に振り回された被害者のようですね(笑)。

 制度に振り回された被害者は学生ですよ。

 法科大学院は、法科大学院を卒業しなければ司法試験を受けられないという関所としての地位を与えられ、圧倒的有利な制度の保護下で競争してきました。たかだか予備試験が実施されたり、司法試験合格者が3000人に届かないくらいで淘汰されたのであれば、自己責任としか言いようがありません。

 

 関西の有名私大である近畿大学が陥落し、次は関関同立でしょうか。関大あたりは司法試験合格率が低迷しており、危険水域ではないでしょうか。

 また、来年度以降の法科大学院入学者数はどうなるのでしょうか。また100人単位で減少するのでしょうか。それとも、そろそろ下げ止まるのでしょうか。横国や近代が募集停止した分は、他大学で吸収可能なので、募集停止が即来年度以降の入学者減に直結するわけではありませんが…。