非モテエリートの悲哀

前回に引き続き、女性のグラスにネット通販で買ったほれ薬を入れようとして懲戒処分を受けた45歳男性弁護士の件です。

 

朝日新聞の記事では「ほれてもらいたかった。自分で2、3滴舐めたが効果は分からなかった」と話しているとのこと。この正直さは援助交際を告白して辞職した米山元新潟知事を彷彿とさせます。

そもそも、マスコミ報道されている事実関係を見る限り、この件は、男性弁護士が正直に自白しなければ、懲戒されなかったはずです。否認しておけば、真偽不明により、懲戒事由なしと判断された可能性が高いにもかかわらず、男性弁護士が正直に告白したため懲戒されたのだと思います。おそらく、ニュースを読んだ全ての弁護士が同じ感想を持ったのではないでしょうか。また、報道によれば、「黒い液体」ということですから、睡眠薬等だった可能性は低いのではないかと思います(もちろん、「黒い液体」というのが、女性の目撃証言なのか、男性弁護士の弁解なのかは分かりませんが)。更に、女性がよそ見している間に入れようとして、結局バレている稚拙さからも、相当不器用な人なのではないかと推測できます。

結論として、この事件は、真面目で小心者で不器用な中年が、どうやって女性を口説けば良いか分からず、ほれ薬に頼ろうとしたが、ばれないようにグラスに入れる器用さもなく、あっさり発覚して懲戒請求されたら、ずる賢く嘘をついて弁解する器用さも度胸も持ち合わせておらず、懲戒されたということではないでしょうか。

 

この非行、弁護士としての能力に直接かかわるかといえば、そうではないかもしれませんが、業務停止明け後も再起不能の可能性は高いと思います。あまりにもイメージが悪いうえ、インパクトが強すぎて、同業者の記憶にも実名付きで深く刻まれてしまったのではないでしょうか。福岡は弁護士人口も多いため、弁護士全員が顔見知りというような地域ではありません。私も、この方のことは全く存じ上げません。しかし、狭い業界であることに変わりはなく、同業者に悪いイメージを持たれると、仕事はしにくくなるでしょう。周りの目が気になり、復帰できないという可能性も考えられます。

ちなみに、登録番号からすると、弁護士経験年数は年齢通りの中堅といったところで、長年にわたり司法試験に人生を捧げて合格したとか、会社員や公務員からの転向というわけではなさそうです。仕事がうまくいっていたとは限りませんが、業界が今ほど不景気ではなかった時代に弁護士になっており、過払バブルも経験したでしょうから、それなりに裕福だったのではないでしょうか。

 

若い頃は、プライベートが充実していなくても、ほかの要因で補填可能です。仕事が上手くいっているとか、何かを目指して努力しているとか。

しかし、それだけで一生幸福を感じ続けるのは困難です。

ところが、中年になってから、それに気づいて行動を起こそうとしても、どうすれば良いか分からず、とりわけ女性関係については、若者のようなトライアンドエラーが許される年齢でもなくなっています。しかも、せっかく築いたエリートの地位も失わないためには、仕事も手を抜くわけにはいきません。

結果、お手軽な援助交際とかほれ薬という方向に走ってしまうのではないでしょうか。

しかし、それは、プライベートを充実させるどころか、仕事すら失いかねない破滅の道です。女性とお付き合いがしたいなら、やはり、女性を口説ける男になるしかないでしょう。