あくまで法律のはなし

なぜか福岡で働くことになった弁護士が、なぜか福岡で独立しなければならなくなったブログ

家族が勝手に使ったクレジットカードの支払いは免責されない

 キャッシュレス社会の到来と言われていますが、日本では、クレジットカードよりもSuicaなどのチャージ式の電子マネーの方が、日常的に使われているようです。

 ネットショッピングの拡大により、クレジットカードの利用額も増加傾向にあるようですが、最近は、ネットショッピングでもSuicaによる決裁に対応していることがあるようですね。

 なぜ日本ではクレジットカードの利用が促進されないのかという点については、いろいろ言われていますが、やはり不正利用の心配が大きいのではないかと思います。

 実は、かなり前に、クレジットカードの不正利用に関する相談を受けたことがあり、その時、不正利用の場合の支払義務について調べました。

 現在のクレジットカード各社の規約では、ほとんどの場合、次のようなルールになっているようです。

①紛失や盗難により、カードを不正利用されても、カード名義人は支払義務を負う(原則)。

②ただし、紛失や盗難を直ちに警察に届け出て、所定の手続を取れば免責される(例外)。

③紛失や盗難に故意・重過失があったり、家族が不正利用した場合は、②の手続を取っても免責されない(例外の例外)。

 つまり、紛失や盗難に遭っても、すぐ気づいて対処すれば、ほとんどの場合、問題ないということになります。

 しかも、②の手続を取った60日前以降の支払いについては支払義務を負わないという規定になっていることが多いので、毎月、支払明細を確認する習慣のある人は、そうそう不正利用の責任を負わされないと考えて大丈夫そうです。

 

 ただ、注目すべきなのは③ですね。

 紛失や盗難に故意や重過失があるということは、普通に生活していれば、あまりないでしょうが、家族による不正利用は、家庭によってはありそうな話です。

 規約の考え方としては、家族は容易にカードを不正利用できる立場にあるため、それに気を付けて管理すべきなのはカード名義人であって、カード会社に損害を負担させるべきではないということのようです。

 配偶者が浪費家だったり、仲が悪かったりして、勝手にカードを使って買い物した場合でも、その支払いは免れないということになりますから、人によっては、細心の注意を払わなければなりません。

 そんな心配をする必要がない家庭を築くのが理想なんですけどね。