富田林署被疑者逃走事件について

 富田林署から接見後の被疑者が逃走した事件。

 接見終了を告げなかった弁護士の責任を指摘する声もあるようです。

 巷の弁護士からは、接見終了を告げる義務はないという反論も出ていますが、責任云々は置いておいて、個人的感想を書いておきます。

①アクリル板が壊れるとは思わない。

 接見室のアクリル板は、通常、殴ったり蹴ったりして壊せるものではありません。被疑者をひとりで残したからといって、アクリル板を壊して逃げるかもしれないという発想はできないのです。

 たぶん、今回の事件を受けて、富田林署以外の全国の警察署で一斉点検が行われているのではないでしょうか。

 実は裁判所や検察庁もそうなのですが、警察をはじめとする役所関係の施設というのは、老朽化が著しいところが多いのです。もちろん、税金を使って修繕したり、新築したりするわけですから、まだ使えるものは使ってほしいですが、あまりに古いものは、どんどん新しくしていくべきでしょう。

②接見が終わった時に留置係がいないということは普通ない。

 私の経験上、接見が終わった時に、留置係が接見室の外にいなかったことは1度もありません。今回、接見が長く、夜中だったということで、たまたま留置係が席を外していたのかもしれませんが、ほとんどの場合は誰かがいて、接見終了に気づきます。

 私も夜遅い時間に接見したことがありますが、終了時、留置係の人はいました。

 その意味では、富田林署の署員が接見終了の気づけないような状況を作ってしまったのは、イレギュラーなケースと言えるでしょう。

③弁護士が接見終了を警察に知らせないことはあまりない。

 義務かどうかは置いておいて、弁護士は、接見中、携帯電話を警察に預けるため、それを返してもらわなければなりません。弁護士から預かった携帯を誰もいないところに放置しておくのは非常識としか言いようが無いので、通常、警察官の目の届くところに置かれています。それを返してもらうためにも、普通、警察官に接見終了を告げることが多いのです。

 また、アクリル板は壊せないのが普通なので、被疑者が脱走するとは思いもよりませんが、自殺することは考えられます。ですから、接見終了後、誰の目も届かない場所に被疑者を長時間置いておかないよう、警察に接見終了を告げる弁護士は多いと思います。

 

 今回の逃亡は、通常はあり得ない諸々のイレギュラーが重なった結果起きてしまったといえます。